🇦🇲アルメニア 未知未知なアルメニア(60)【聖パウロと聖ペテロ教会の質素な内部】

タテフ修道院の中で、中央に君臨する荘厳な「聖パウロと聖ペテロ教会」の中は、どうなっているだろうと興味津々です。

中に入ると、予想を裏切ってというよりも、観望を裏切って、内部はやはり質素で厳かです。過度な装飾どころか、虚飾を一切排した内部は石材も変色し、長い年月を感じさせ、静かな空間が広がっています。

観光客であろう数少ない敬虔な信者が祈りを捧げています。神父は祝福を与えていますが 、信者があまりに少ないので途切れてしまいます。

4世紀にアルメニアがキリスト教化されると元々、異教の寺院が質素な教会に置き換えられました。その後、「アルメニアで最も美しい」と称されるタテヴ修道院は9世紀に建造され、14世紀と15世紀には、宗教施設としてだけではなく、タテフ大学が置かれ、科学、宗教、哲学などの教育を行い、最盛期には1000人もの修道士が暮らしていたとされています。大峡谷の中の崖にこんな施設があり、1000人も生活していたなんて想像できません。

セルジューク朝トルコ、モンゴルのティムール朝に侵略され、破壊され続けますが、17世紀と18世紀に再建され、建物は修復されます。しかし、その後はペルシャ軍の侵攻の際に再び略奪され続けます。堅牢な要塞化したのには、当然の歴史的理由は理解できます。しかし、結局は守りきれず、キリスト教も衰退したのかと思われ、今日の細々とした営みに衰退したと想像されます。

隣国のジョージアとともにアルメニアにまで、モンゴルが攻めてきたのは驚きです。日本と違って激動の歴史を歩んできたアルメニア、まだまだ未知未知がいっぱいです。

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