短距離線でA350を使うJALの凄さ
もう一つ飛行機の話をしましょう。
日航にエアバスA350-900が就航して2年が経ちました。
7月から「がんばろう日本」の素晴らしい特別塗装機も登場し、すっかりJALの看板機種として定着した感がありますね。国際線のフラッグシップは未だボーイング777-300ERですが、これも再来年にはA350-1000に取り替えられます。
そもそもA350は正式名称を「A350XWB」と呼び、それ以前に計画されていた元のA350案と区別されています。旧A350案はA330と同じ太さの胴体で、ちょっとしたモデルチェンジの域を出ないものでした。しかし、そんな焼き直しでは787に勝てないとして、完全新設計のXWBに改められたということなんです。あえて787より一回り大きくしつつ、従来技術も活かすことで価格を抑え、それでいて新時代の環境基準に適合できるようにする…これがコンセプトでした。
もちろん、大陸間の超長距離路線に投入することを狙った設計です。
ところがJALは、長距離用のA350-900を日本国内の短距離線に採用し、777と交替させる戦略に出ました。何やらエアバスの担当者が「本当に国内線で使うのか」と驚いたという話も漏れ伝わっています。
これは恐らくANAに対する対抗意識もあるでしょう。ANAが787を導入したとき、新機種であることを鳴り物入りで宣伝しました。それを受けて、今度はJALが「それを上回る新機種の導入」として宣伝しようという作戦です。
側面に機種名を大きく入れるデザインも、元はANAが787で行っていたことです。
ハード面から見ると、JALはA350を「かつての国内線ジャンボ747SRと同じ」位置づけで捉えていることが分かります。
A350は長距離機なので、15,000km飛ぶために燃料満載すると、最大離陸重量は280tにも達します。ところがJALは、重量で決まる空港使用料を抑えるため、A350の最大離陸重量を217t・航続距離を5,900kmで登録しています(HPで確認可)。書面上は中距離機として扱われているのです。昔の747SRも、航続距離をカットして着陸料を抑えていました。
世界でも類を見ない使用法であることは間違いありません。
これから来るA350-1000は未知の世界。どんな仕様になるのか楽しみですね。
日航にエアバスA350-900が就航して2年が経ちました。
7月から「がんばろう日本」の素晴らしい特別塗装機も登場し、すっかりJALの看板機種として定着した感がありますね。国際線のフラッグシップは未だボーイング777-300ERですが、これも再来年にはA350-1000に取り替えられます。
そもそもA350は正式名称を「A350XWB」と呼び、それ以前に計画されていた元のA350案と区別されています。旧A350案はA330と同じ太さの胴体で、ちょっとしたモデルチェンジの域を出ないものでした。しかし、そんな焼き直しでは787に勝てないとして、完全新設計のXWBに改められたということなんです。あえて787より一回り大きくしつつ、従来技術も活かすことで価格を抑え、それでいて新時代の環境基準に適合できるようにする…これがコンセプトでした。
もちろん、大陸間の超長距離路線に投入することを狙った設計です。
ところがJALは、長距離用のA350-900を日本国内の短距離線に採用し、777と交替させる戦略に出ました。何やらエアバスの担当者が「本当に国内線で使うのか」と驚いたという話も漏れ伝わっています。
これは恐らくANAに対する対抗意識もあるでしょう。ANAが787を導入したとき、新機種であることを鳴り物入りで宣伝しました。それを受けて、今度はJALが「それを上回る新機種の導入」として宣伝しようという作戦です。
側面に機種名を大きく入れるデザインも、元はANAが787で行っていたことです。
ハード面から見ると、JALはA350を「かつての国内線ジャンボ747SRと同じ」位置づけで捉えていることが分かります。
A350は長距離機なので、15,000km飛ぶために燃料満載すると、最大離陸重量は280tにも達します。ところがJALは、重量で決まる空港使用料を抑えるため、A350の最大離陸重量を217t・航続距離を5,900kmで登録しています(HPで確認可)。書面上は中距離機として扱われているのです。昔の747SRも、航続距離をカットして着陸料を抑えていました。
世界でも類を見ない使用法であることは間違いありません。
これから来るA350-1000は未知の世界。どんな仕様になるのか楽しみですね。