発見レポ
#旅エピソード
数年前の話です。
1年間の高校交換留学から17年後、実家の両親とアメリカのホストファミリーの初対面を実現させた!

17年前に母が感謝の気持ちを込めて折った千羽鶴を部屋に飾って出迎えてくれた。父は今回、自作の色鉛筆画をプレゼントしたのだが、「アーティストご本人に会えるなんて夢だったの」とホストマザーは上手いことを言い、父(もちろん素人)は大笑いしていた。小売業界で働く父のため、近所のスーパーを見学してマネージャーにインタビューするという企画を立てたのは、地元紙の元ライターであるホストマザーならでは。当時のシアトル・マリナーズの本拠地セーフィコ・フィールドの見学もすごかった。「こんなところまでいいの!?」と驚いた。スポーツ観戦、特に野球は昔から好きだった両親にとっても自慢の体験となっただろう。

私は貧乏子沢山の家に育った。かなり無理を言って参加させてもらった留学だった。学校卒業後は「氷河期」で、非正規で学生ローンに追われ、海外旅行など無理だった。やがて旅行ぐらい行く余裕が出てきた時、真っ先にアメリカのホストファミリーに会いに行ったのだが、その後、私はヨーロッパで音楽三昧するクラオタ・オペラオタになってしまった。

ちょうど仕事を引退したホストファミリー夫妻が、日常に退屈してラブコールを送ってきた。「両親を連れてきても良いわよ」と。ピカッと私の頭で何かが光った!そのときの仕事なら休みも取れそう。両親の分の飛行機代も何とか出せる。連れて行こう。

「いつか」一緒に行こうなんて思っていたら、「いつか」はもう永遠に来ないかもしれない。

海外に慣れていない両親を連れての旅は正直なところ疲れる。目を離せないし、常に通訳をしなければならない。普段、一人で自由に旅する私にとっては窮屈な旅だったが、あの時、決断して実行して本当に良かったと思う。

数年後の2021年12月、残念なことにホストマザーは逝去。悲しみにくれるホストファザーだったが、私の知らない間にあっという間に再婚していた(笑)
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